人生七十古来稀なり
人生七十古来稀なり
恩師である内田文雄先生の古稀祝いの折、僭越ながら開会のあいさつをさせていただきました。先生への感謝の想いとともに、内田研の仲間と自分への忘れてはならない大切なことのための備忘録です。
あいさつ
まず、この会の開催に尽力していただいた方々に厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。そして、こんな集まりができるのもひとえに内田先生のおかげだと思っております。ありがとうございます。そしておめでとうございます。
今日、席決めの時に引いていただいたカード。みなさん覚えていますでしょうか。内田研の信念といいますか、コンセプトというかそんなものだったかと思います。あらためて見ると、今の建築や社会に必要なことを、ぼくたちはずっと前から教えてもらっていたことがわかると思います。
耐火木造の推進は、本当の意味での日本林業の再興につながるのか、とか、こんなにも外の環境と隔絶した建物をつくっていいのか、とか。
年をとることで頭が固くなり、一つの考え方に固執することのないように心がけたいとは思いますが、やはり気がかりです。
巷では SDGs が叫ばれ、いろんな物事を横でつなぐ思考が浸透したことはいいことだと思いますが、何か大切なことを忘れてはいないかと思ったりもします。
建築に携わられている方に限らずですが、目まぐるしく変化する社会の中で、正確に物事を捉え、本当は何が大事なのかを考え、社会を少しでも良くしようと動ける人材という面においては、内田研出身者の右に出るものはいないと思います。
そのことを胸に、ぜひともそれぞれの分野で活躍していただきたいと思います。
正論を吐き、真剣にやって、まわりからバカだと思われたっていいじゃないか!
見てくれている人は必ずいます。
ぼくは、先生が山大に来てくれたおかげで、考え方や生き方が変わり、大袈裟かもしれませんが、深く、喜びに満ちた人生を送れていると感じています。
生きる楽しみのひとつは、どんな人に出会い、どんな影響受け、そしてどんな影響を与えられるかだと思います。
今日は幅広い年代の方々がお集まりいただいておりますが、年の離れた先輩後輩でも、今日がその出会いなのかもしれません。先生にいただいたこの出会いを喜ぶとともに、今日はみんなで盛大に楽しみましょう。
内田文雄先生のご活躍とご健康をお祈りするとともに、古稀を祝して。
乾杯!
2022 年 7月9日